ヒメスズメバチについて
2021年10月5日
おはようございます。
令和3年 10月5日 火曜日担当の井戸口です。
今月の1日(金)で私事、無事21歳の誕生日を迎え、また1つ老いてしまいました(笑)
良い1年になる事をお祈りします(笑)
さて、今回はヒメスズメバチについてご紹介します。
刺されると危険なスズメバチ。どんな種類だろうと、家にスズメバチが来たら恐ろしく感じるのは当然でしょう。
しかしヒメスズメバチはスズメバチ類の中でも少々特殊な種類と言えます。日本にいるスズメバチは8種類ほどですが、ヒメスズメバチはその中でも最も攻撃性が低い種類なのです。
この記事ではヒメスズメバチならではの特徴や生態に加え、駆除・対策についての詳細を解説していきます。「生態を知って正しく安全に対処したい」という方に役立つ内容になっているので、参考にしてくださいね。
ヒメスズメバチの特徴や生態【危険性は比較的低い】
「ヒメスズメバチはどんなハチ?」という疑問に簡単に答えると、以下の通りになります。
- スズメバチ科最大種「オオスズメバチ」に次ぐ、大型のスズメバチ
- スズメバチの中では攻撃性が低い
こちらから攻撃を加えたり、巣から数メートルの距離まで近づいたりしない限りは比較的安全なハチなのです。とはいえ近づいてきた時に手で払ったり慌てて動いたりすると、刺されてしまうことも。
むやみに怖がって刺されることのないよう、まずはヒメスズメバチの性質や生態を理解しましょう。
ヒメスズメバチはハチ目スズメバチ科。概要は以下の通りです。大きさ25-35mm生息地域
- 日本
- 東アジア
- ロシア沿岸州
日本での分布
- 本州
- 四国
- 九州
- 対馬
- 奄美大島
亜種
- ツシマヒメスズメバチ
- リュウキュウヒメスズメバチ
ヒメスズメバチは閉鎖空間を好んで巣作りをします。以下の場所は巣が作られやすいポイントです。
- 切り株の中
- 土の中
- 中が空になっている植木鉢
- 倉庫、物置
- 床下
- 屋根裏
- 雨風が当たらない軒下
ヒメスズメバチをあまりにも頻繁に見る場合は、家の敷地内に巣が作られている可能性も。しかしむやみに探すのは巣に近づくことになるため避けましょう。
本当にヒメスズメバチ?他のスズメバチとの見分け方
続いてヒメスズメバチの見分け方をチェックしてみましょう。ハチの体は個体差があるため「家に来ているハチはヒメスズメバチだろうな」と安易に判断するのは危険!なぜならヒメスズメバチに似た外見をした、危険なスズメバチもいるからです。
ヒメスズメバチの外見的特徴は、以下3点です。
- お尻の先端が黒い(色・模様)
- 体長が大きい(大きさ)
- 巣の形状
これらの外見的特徴3点をチェックしながら、間違えやすい「似ている他のスズメバチ」との違いを比較してみましょう。似ているスズメバチはいずれも攻撃性・毒性の高い種類。
巣がある場合はハチ駆除業者による本格的な駆除作業が必要です。
判断基準1:【色・模様をチェック】ヒメスズメバチのお尻の先は黒い
ヒメスズメバチの体色・模様の特徴を列挙します。
- お尻の先端が黒い(ただし亜種の「ツシマヒメスズメバチ」は先端が黄色い)
- 全体的に「飴色・べっ甲色」を思わせる茶褐色
- 腹部のしま模様は、黒色の印象が強い
ヒメスズメバチを見分ける方法として最も一般的なのが、お尻の先端の色を見る方法。ヒメスズメバチのお尻の先端は必ず黒色と決まっているからです。
なお日本で刺傷被害が多い「オオスズメバチ」「キイロスズメバチ」「コガタスズメバチ」は体色に黄色が目立つ種類。お尻の先端も全て黄色になっています。
そしてヒメスズメバチと体色・模様が似ているスズメバチは「モンスズメバチ」です。画像を比較してみましょう。
【ヒメスズメバチ】
【モンスズメバチ】いずれも体色に黒・褐色が目立つため、飛行している状態では判断の難しいケースもあります。静止していた場合は遠くから観察し、以下の違いで見分けましょう。ヒメスズメバチモンスズメバチお尻先端の色黒黄しま模様の形直線的左右対称に波打った形状判断基準2:【大きさをチェック】大きさは3cm超ヒメスズメバチは大型のスズメバチなので、大きさを見ることも判断基準になります。3cm超の大きさがあるスズメバチは数種類に絞られるからです。ヒメスズメバチと大きさの近いスズメバチを比較してみましょう。働き蜂の大きさ女王蜂の大きさヒメスズメバチ25~33mm30~35mmオオスズメバチ27~40mm40~55mmモンスズメバチ20~28mm28~30mm働き蜂と女王蜂の大きさには差があります。「オオスズメバチの働き蜂」や「モンスズメバチの女王蜂」のサイズは、ヒメスズメバチと同じくらい。見分ける際には注意が必要です。ハチ本体の外観から見分けるには、判断基準1「色・模様」と判断基準2「大きさ」両方を組み合わせて判断してみましょう。判断基準3:【巣をチェック】大きさと形状に特徴ありハチ本体では見分けるのが難しい場合、巣の形状や大きさから見分けることもできます。既に巣が発見できているのであれば、以下の特徴に当てはまるかをチェックしてみましょう。ドーム型の半円の中にシャワーヘッドが取り付けられたような見た目をしている下からのぞくと「目」のような形状をしている幼虫や卵がいる六角形の部屋がむき出しになっている大きさは直径20cm程度ただし巣に近づくことは危険が伴うため、10m程度の距離を取って観察して下さい。距離が取れない場合は絶対に近づかず駆除業者に確認を依頼しましょう。ヒメスズメバチは攻撃性が低い?ヒメスズメバチは大型であることから威圧感がありますが、「ヒメ」の名にふさわしい控えめな性格をしています。その理由は食性に関係しています。ヒメスズメバチが餌としているのは主に「アシナガバチ」のみ。餌として食べるものがアシナガバチに限られているので、ヒメスズメバチのコロニーは小規模なのです。働き蜂の数も少ないため「余計な威嚇や闘いを好まない」という性質があります。ヒメスズメバチの巣にいる働き蜂はせいぜい数十匹ほどで、日本にいるスズメバチの中でも巣の規模は最小です。ちなみに他のスズメバチ同様、ヒメスズメバチも花の蜜や樹液を好みます。そのため花壇や庭木がある家では姿を見かけやすい傾向にあります。ヒメスズメバチの毒は比較的弱いが、油断は禁物ヒメスズメバチには他のスズメバチと同様に毒があります。毒性はほかのスズメバチよりは弱めですが、針が太いため強烈な痛みも伴います。また刺された場合はアナフィラキシーショックにより命の危険にさらされることも。そのため比較的穏やかな性格をしているからといって、油断してはいけません。万が一刺されてしまった場合は患部を流水に当て毒を絞り出しましょう。その後すぐに皮膚科を受診してください。
ヒメスズメバチの攻撃性が上がるのはいつ?活動時期を解説
ヒメスズメバチは攻撃性が比較的低いため、被害件数の最も少ないスズメバチです。しかし毒針を持っており人を刺す危険性があることには変わりありません。ヒメスズメバチによる被害を避けるためには、以下の情報を知っておくことが大切です。活動サイクルや最も攻撃的な時期ヒメスズメバチが発する警戒のサインについて具体的に確認していきましょう。ヒメスズメバチの活動サイクル・危険な時期を知ろうヒメスズメバチの活動時期は5~9月にかけてです。活動内容危険度5~6月女王蜂1匹が巣作りを開始する巣が大きくなると、女王蜂が産卵を開始する低い6~8月働き蜂が羽化する働き蜂が巣を大きくしていく巣が急激に大きくなる中8~9月新しい女王蜂が生まれる働き蜂が攻撃的になる新女王蜂は交尾後、巣を離れ越冬する高い巣から5m以内に近づいてはいけない普通のスズメバチは11月頃まで活動を続けるのに対し、ヒメスズメバチの活動時期は短めです。なぜ活動時期が短いのかというと、餌であるアシナガバチの活動時期と連動しているから。アシナガバチの活動時期は、4~5月から始まり10~11月まで続きます。つまりアシナガバチの活動が活発になる頃にヒメスズメバチが活動を開始。そしてアシナガバチが少なくなる前にヒメスズメバチは活動を終える、というサイクルになっているのです。
ヒメスズメバチが警戒サインを出していたら要注意
ヒメスズメバチの巣に近づくと働き蜂がやってきて警戒サインを出します。わざと羽音が聞こえるように人の近くを飛んだり、顎を「カチカチ」と打ち鳴らしたりするのが警戒している証しです。
警戒しているヒメスズメバチは5mほどの距離まで近づいてくることも。この時に手で払ったり急な動きをしたりせず、ゆっくりと巣から遠ざかることが大切です。
ヒメスズメバチの駆除・対策【温厚でも油断は禁物】
ヒメスズメバチに巣を作られてしまったら、なるべく早く駆除しましょう。また巣が作られていなかったとしても、以下の場合は対策を講じなければいけません。
- 毎日のようにヒメスズメバチが飛んでいるのを見かける
- ヒメスズメバチかどうか判別は付かないが、毎日何らかのスズメバチが飛んでいる
巣がある、またはあるかもしれない場合は、基本的に専門のハチ駆除業者に依頼するのがおすすめです。自分でやろうとすると刺されてしまう危険性があり、以下のようなケースでは周りに被害が及ぶことも考えられます。
ハチ駆除の件でお困りの際は、是非日東防疫㈱までご連絡下さい。
以上、大分オフィスの井戸口でした。