不思議な鳴き声…
2016年3月3日
おはようございます中島です
今回も前回の続きのオケラについてです。
土中から水陸両用で泳ぎまでこなし、短時間ではありますが空も飛ぶとマルチな行動範囲を持つオケラ、実は鳴き声も持っているんですねぇ。
オスは初夏によく鳴き、巣穴を共鳴室として使って鳴き声を大きく響かせるそうです。
鳴き声は「ジー……」とも「ビー……」とも聞こえる連続音で、地中から聞こえるため、日本では古来「ミミズの鳴き声」と信じられてきたそうです。
そしてメスも鳴くといいます。
残念ながら鳴き声は聞いたことがありませんが。
卵は巣穴の奥に泥で繭状の容器をつくってその中に固めて産みつけ密閉し、親がそばに留まって保護する。
孵化する幼虫は小さいことと翅がないこと、よく跳ねること以外は成虫とよく似ており、しばらく集団生活した後に親の巣穴を離れて分散すると成虫と同様の生活をする。
天敵は鳥類、カエル、イタチ、タヌキ、モグラなどで、ムクドリはケラの多くいる環境ではケラをよく摂食していることが知られています。
鳥が好んで食べることから、江戸時代は江戸城大奥で愛玩用に飼育されている小鳥の餌として、江戸近郊の農村にケラの採集と納入が課せられているほどでした。
また、幼虫・成虫に産卵し捕食寄生する寄生バチや、麻酔して産卵する狩蜂がいる他、ミイデラゴミムシの幼虫はケラの卵塊を食べて成長するんです。
農薬の使用や開発による湿地の消失に水田の減少など環境の変化が重なり、ケラ類は日本を含めた世界各地で現在数を減らして来ています。
とはいえ、21世紀の東京近郊でも湖沼、河川を控えた光源には秋口によく新成虫のメスが多数飛来するところも見られます。
野生環境では土中で土壌生物や生きた植物の根を食べていますが、飼育下ではクワガタムシ用の高タンパクゼリーをよく食べ、その場合は生き餌や生鮮食品を必ずしも必要とはしないので便利です。
また、園芸用のミズゴケ属に加水したものを飼育容器に厚く敷き詰めることでマット兼シェルターとして使うこともできます。
一風変わったこの生き物ですが興味がわいたら育ててみてはいかがでしょうか?
ではまた次回お会いしましょう。