ねずみの習性
2016年6月25日
こんばんは
今回はねずみについて勉強しました。
ねずみが運ぶ病気で最も恐ろしいのが、フンの中にいるハンタウイルスです。
腎症候性出血熱(HFRS)・ハンタウイルス肺症候群(HPS)という病気を引き起こしますが、これらの病気には、ほとんど有効な治療方法がありません。感染した場合には拡大を防ぐため、国への報告が義務付けられています。
腎症候性出血熱は、20世紀初頭から世界中で多数の死者を出してきた病気です。発生地域によっては死亡率が15パーセントにものぼり、中国では50年間で4万人以上が亡くなっています。
ワクチンは一部の国以外、不認可です。日本でも大阪で100人以上が感染し、2人が亡くなるという事例が起こっています。発症すると発熱に頭痛、腎不全などの症状が見られ、人工透析が必要になる場合があります。
一方のハンタウイルス肺症候群には、ワクチンどころか治療法も存在しません。
1993年にアメリカで原因がわかったばかりの病気で、解熱剤投与などの対症療法で治るのを待つしかないのが現状です。初期症状は風邪に似ていて、アメリカ・カナダでは感染者のうち、50パーセント近くが死亡した事例も報告されています。
日本での感染例はほとんどありませんが、ドブネズミがウイルスを運ぶことから、今後大量感染が起こる可能性もあります。
サルモネラ菌
食中毒の原因として有名なサルモネラ菌も、ねずみが媒介する細菌です。
ねずみの体だけでなくフンにも大量に含まれていて、触ると感染してしまいます。感染した場合、食中毒だけでなく、チフス(腸チフス・パラチフス)を発症する可能性があります。
腸チフス・パラチフスにかかると、バラ疹というピンクの発疹が出るのが特徴です。重症の場合、腸に穴が開くこともあります。乳幼児が感染した場合、髄膜炎を起こし大変危険な状態となります。
更に恐ろしいことに、チフスには『健康保菌者』と呼ばれる、感染してもなんともない代わりに、ずっと体内にチフス菌を持ち続ける体質の人が存在します。この体質の人が感染すると、自覚のないままチフスの被害を拡大させてしまいます。実際の例では1900年代初頭、アメリカで健康保菌者の女性がチフスに感染したために数十人がその被害を受け、最低でも3人が死亡したという記録が残っています。
レプトスピラ菌
レプトスピラ菌が原因になるレプトスピラ症は、日本でも古くから知られている病気です。特に、沖縄県での発生が目立ちます。
人間だけでなく、他の動物にも感染するのが特徴で、ペットの犬・ハムスターが感染し死亡するケースも見られます。逆に、ペットから人間へ感染する場合も少なくありません。
人間が感染した場合、重症例ではエボラ出血熱のように全身から出血し、死亡率50パーセントという高い死亡率で死に至る事例も記録されています。
ツツガムシ病
ねずみの体についたダニ(ツツガムシ)が原因の病気です。高熱と全身の発疹、独特の傷跡をつくるダニの刺し傷が特徴ですが、重症になると血液が血管の中で固まる症状を引き起こします。最悪の場合多臓器不全を起こして死亡することもあります。
予防ワクチンは存在しません。
E型肝炎
日本やアメリカで、増加し続けている病気です。妊婦や高齢者は重症になりやすく、流産の危険性が高まります。
治療に有効なワクチンはありません。2002年には3人の死者も出ています。
ペスト
ねずみが媒介するものとしては最大の犠牲者を出した病気です。その数は、14世紀にはヨーロッパ人口の3分の1がこの病気で亡くなった、と言われているほどです。『黒死病』として古くから恐れられてきました。
海外ではいまだ年間5000人以上が感染する病気であり、1994年にもインドで大量感染が起こり大パニックとなりました。海外旅行の際には注意が必要です。